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 QAPHE国際シンポジウムにセンター教職員が参加

NICの活動

2019年11月26日、一般社団法人専門職高等教育質保証機構(QAPHE)主催のQAPHE国際シンポジウム2019が東京・六本木ヒルズのハリウッドホールで開催され、当センターからは5名の教職員が参加しました。「専門職高等教育の質保証と資格枠組」がテーマの同シンポジウムでは、マレーシアと香港から招かれた質保証や資格枠組に携わる専門家を交え、日本での資格枠組の可能性に関する議論が行われました。

ASEAN質保証ネットワーク前事務局長であり、マレーシアで高等教育の質保証に長くかかわってきたZita Mohd Fahmi氏は、ASEAN地域での高等教育の調和のための仕組みとして質保証、資格枠組、単位互換制度などを紹介しました。また、ASEAN諸国が抱える調和に向けた課題として、各国高等教育の質保証制度の違いや、資格に関わるすべてのステークホルダーの参画、地域統一制度の各教育機関での実行を挙げました。

次に、香港で教育課程の質保証や資格枠組の運用を行うHKCAAVQ(香港学術及職業資歴評審局)のChristina Ng職業専門教育アクレディテーション担当部長は、香港での資格枠組の活用による教育セクター間の学生移動を説明しました。資格枠組が学術教育、職業教育、生涯教育にまたがって当てはめられていることで、(1)職業教育から学術教育、(2)生涯教育から職業教育といった学習ルートが生まれているそうです。またNg氏は、香港では23の産業がそれぞれの委員会を立ち上げ、資格枠組に対応する産業別コンピテンシー基準を作っていることも紹介しました。

日本国内の関係者も交えたパネルディスカッションでは、はじめにQAPHEの川口昭彦代表理事より、文部科学省委託事業「職業実践専門課程を通じた専修学校の質保証・向上の推進」においてQAPHEが作成した「資格枠組のレベル定義(レベルディスクリプタ―)」が紹介されました。さらに、分野レベルでの職業人コンピテンシーの確立に向けた取組事例として、全国動物教育協会の坂元祥彦理事より愛玩動物看護師の標準コアカリキュラムの策定などの取組が紹介されました。

ディスカッションでは、職業教育には文部科学省だけでなく他の関係省を含むさまざまなステークホルダーがおり、関係する制度間の親和性をどう高めていくかといった指摘や、メンバーシップ(企業)型ではなくジョブ(職種)型志向での雇用の増加を見据え、学生が身に付けたスキルや知識を雇用側がしっかり読み取れる仕組みづくりを求める意見が上がりました。